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モラハラ妻と同棲

モラハラ妻と交際を始めて一か月で同棲スタート。

とにかく彼女は服をたくさん持っていました。
几帳面に畳まれたオシャレなシャツから値札が付いたままの服、袋に入ったものまで大量でした。

彼女の荷物をクローゼットの中に綺麗に積み重ね、部屋や洗面台に彼女の私物が置かれていく。
好きな人と一緒に住む…その始まりというのはとてもワクワクします。

家賃や水道光熱費はもちろん僕が払います。
とりあえず、お金の話には一切触れることなく同棲生活が始まりました。

モラハラ妻の初怒り

次の日、アルバイトを終えてから本屋に寄って、新しく発売されていた漫画の単行本を一冊購入。
そして、モラハラ妻が待つ部屋にワクワクしながら帰宅しました。

【僕】
ただいま~

【妻】
おかえり~

と、同棲始めて初の「ただいまおかえり」を味わう。
家に帰れば好きな人が待っているというのは最高です。
今日一日の話をしながらにやけそうになるのを必死でこらえていました。

そして、彼女は昨日まとめた服をもう少しだけ整理する作業に。
僕はバイト帰りに買ってきた漫画を読もうと袋を開ける。

【妻】
何それ?

突然、彼女が低いトーンで僕に問いかける。

【僕】
これ?○○って漫画。めっちゃおもしろいよ!全巻揃ってるから読んでみる?

と、お気に入りの漫画を勧めてみたところ…。

何も言わず、こちらに背を向けて無言で服の整理を始める彼女

いつもとガラッと雰囲気が変わった彼女を見て僕はいろいろと考えてしまいました。

『あれ?怒ってる?なんかおかしなこと言ったかな?』
『もしかして元カレも好きな漫画だったか!?』
『帰って来るのを待っていたのに、僕が仕事帰りに一人で本屋に行ったことに対して怒ってるのかも…。』

まっすぐ帰宅せず本屋に寄ったことが原因かも…。
と思いながらもう少し探りを入れてみることにしました。

【僕】
今日はずっと部屋で引越しの片付けしてたの?

【妻】
…。

あれ?無視されてる?


もう一度、彼女に話しかけてみました。

【僕】
お腹空いた?何か買ってこようか?

【妻】
…。


無視されてる

名前を呼んでもこっちを向くどころか返事もしてくれませんでした。
心臓をバクバクさせながら、数分おきに何度か話しかけても全て無視。

本当に何の反応もないのです。

初めて味わうこの感覚、なんと説明すればいいのか。
モヤッとするというか、一気に気持ちが暗く重たくなるというか、何とも言えない凄く嫌な気持ち、気持ち悪い感じ。

無視をされるというのはこんなにつらい事なのか

この時まで、僕は誰かに本気で無視をされされたことがありませんでした。
さっきまで楽しく話をしていた相手にいきなり無視をされる、それのつらさと苦しさを初めて知りました。

よく考えてみると、人に本気で無視されるという事をほとんどの人は経験しないと思います。

今まで友人や恋人と喧嘩になったり、険悪なムードになったりした事はありますが【無視】という手段を使う人間はいませんでした。

お互いに、口数は少なくなりながらも自分の思いを相手に話して解決に持っていく。
不器用ながらもそうやって人間関係を維持してきた僕にとって【無視】という手段を使う彼女は衝撃的でした。

そして、本気で無視されているというこの状況に、僕は暗い気持ちのままムカムカとイラついてきて変な感情になっていました。

僕は、このままではいけない…と思い、漫画の事を忘れてなぜか風呂掃除や便所掃除をしていました。
彼女に声を掛けながら、複雑な心境で掃除や自分の服の整理などをして一時間が経過。
一段落したので少し休憩することに。

彼女もようやく片付けが終わったらしく、テーブルを挟んで僕の対面に座りテレビを見始める。

【僕】
終わった?お疲れ様!

【妻】
…。

相変わらず無視されているようです。

数分後、バラエティ番組を見て笑う彼女。

『あれ?機嫌直った?そもそも機嫌悪かった?』

少しホッとした僕は嬉しくなり、すかさず「このテレビ面白いよね!」と彼女に話しかけました。

「…。」

何これ?

絶望的な気分になりました。