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モラハラ妻から逃走【3回目】

深夜2時、モラハラ妻から3回目の逃走。

妻に見つからぬようビクビクしながら逃亡

もう何も考えることなく、ただ歩きました。
着の身着のまま、深夜の寒さを感じながら実家に向かって歩く。

家族四人で暮らしていたマンションから20分ほど歩くと隣の県へとつながっている国道に出ました。

『再び逃げ出した僕を探しに妻が車で追いかけてくるかもしれない』

そう思い、できるだけ国道沿いを歩かずに裏道のようなところをビクビクしながら歩く。

『こんな道があったのか…こんなところでも意外と住宅が密集してるんだなあ。』

こんな状況でそんな事を思いながら歩き続けました。

住宅街や線路沿いを歩いてしばらくすると河川敷に出ました。

道が少し広くなっていて、家族を乗せた車で何度も走ったことがある場所。

その時、車がこちらに向かって走ってきました。

すかさず河川敷の土手に身を隠し、車が通りすぎるのを待つ。

すれ違う車全てに恐怖を感じ、時折隠れたりしながら歩き続けていました。

国道を避け、遠回りになるような狭い道を歩き、何度も行き止まりに遭遇しました。
それでも何とか県境までやってきました。

気付けば空が少しずつ明るくなっていました。

駅を発見

何度も行き止まりに遭遇し、峠の坂道を登ったり下ったり。

歩き疲れてきた時に、駅を発見しました。
2時間ほど歩いたのに、最寄りの駅からたった3駅くらいしか離れていませんでした。

この駅から友人Tが住んでいる最寄りの駅まで行こう。
始発までもうすぐ。

駅のベンチに座って冷静になった途端、疲れが一気に出てきました。
久しぶりに長時間長距離を歩いたので足が棒のよう。
ただ、頭は相変わらず働いていませんでした。

意識が朦朧とした状態のまま、妻から電話やメールが来ないか恐怖しながら電車を待ち続けました。

『子どもたちにはもう会えないのかもしれない。』
『パパはママから逃げ出してしまった。ごめんね。』

申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

『朝になったらAさんに電話して弁護士の先生を紹介してもらおう。』
『妻がまた実家までやってきたらどうしよう。』
『弁護士の先生はわかってくれるだろうか。』
『父や母はなんと言うだろうか。』
『子どもたちは大丈夫だろうか。』

色々な事を考えていると始発の電車がやってきました。

電車で隣の県へ

電車に乗り込み、座席に座る。
家族で暮らしていた土地から物凄いスピートで離れていく。

妻から距離が離れていく事で物凄く安心した記憶があります。

友人Tの最寄りの駅に到着。
時間はまだ朝の6時くらいだったと思います。

妻からはまだ電話やメールはありません。

『7時過ぎくらいになったらTに電話してみよう。』

そう思い、駅前のスーパーの駐車場でひっそりと隠れるように時間が過ぎるのを待ちました。
スーパーの前を通り過ぎる車の音に恐怖を感じながら。

電話が鳴る

朝7時前、ついに携帯電話が鳴りました。

ドキッ!!

モラ妻からの電話は出るつもりはありませんでしたがやはり怖い。

着信画面を見てみると。

「父」

父からの電話でした。
母から昨晩の事を聞いたのでしょう。

父は昔ながらの大工さん。
声が大きくて口は悪いけど、いつも母に言い負かされ、尻に敷かれてしまっている優しい父です。
連帯保証人になり、案の定借金を背負ってしまうほどお人好しな父。

しかし、やる時はやる、優しくて強い父を僕は尊敬しています。

そんな父に、実家に向かっている事を伝えるために電話に出ました。

【父】
幸男、お母さんから話を聞いたぞ。大丈夫か?仲直りできたのか?
【僕】
やっぱり無理だった。歩いて逃げてきた…。Tにそっちまで送ってもらおうと思ってる。
【父】
そうか!身体は大丈夫か!?ちゃんと帰ってこれるか!?



「……もう、しんどい。」


父にそう伝えた瞬間、一気に今までの悲しさや苦しさや疲れが一気に溢れ出てきました。

声を上げて泣きました。
スーパーの駐車場で座り込み、うずくまるようにして泣きました。

小学生からこの年齢まで、父の前で声を上げて泣いた事なんてありませんでした。
人前でも一人の時でも、声を上げて号泣する事なんてなかった僕。
それなのに、子を持つ父親になってから、初めて父の前で声を上げて泣いてしまいました。

【父】
Tくん家の近くだな!?今から行くから待ってろ!

後から聞いた話ですが、初めてここまで泣く僕に父は相当心配していたようです。
僕が実家にたどり着く前に、自分で命を絶ってしまう…と。

通話を切り、父の到着を待つ僕。
物心がついてから、初めて声を上げて涙をボロボロ流して泣いた僕。
少し気分がスッキリしたような気がしました。

これからどうするか、しっかり考えなければ…。そう思いました。

Aさんに電話

父の到着を待っている間、Aさんに電話。

朝早いけど出てくれるだろうか…。
起きてるかな…。お願いします、電話に出てください、お願いします。

無知な僕は、この後、実家に帰る事はできてもそこからどうすればいいのかわかりませんでした。
そこから先は、Aさんと弁護士さんだけが頼り。
本当に、この二人だけが頼りでした。

【Aさん】
もしもし、幸ちゃん!どうした!?ついに逃げ出したか!?
【僕】
はい、家を飛び出してきました。Aさん助けてください…。

またしても泣きそうになりました。完全に涙声だったと思います。

【Aさん】
よっしゃ!ちゃんと録音はできてる?
【僕】
はい、15分~30分くらいの音声が二本あります。
【Aさん】
よしよし!あとは先生が今から会えるかどうかやな。ちょっと先生に連絡するから待っといてな!奥さんからの電話は無視しときや!

Aさんはそう言うと電話を切りました。

数十分後、父から電話があり合流する事に成功しました。
父の顔を見て再び涙があふれました。

モラ妻から逃げ出して父とドライブ

父に、Aさんからの連絡待ちという事を話しました。
従兄弟のKちゃんからの紹介という事で父も安心していました。

【父】
よし、ちょっと拝みに行こうか。

父はそう言うと車を走らせました。
久しぶりのドライブがこんな状況の中、という事が物凄く申し訳なかった。

向かった先は、僕が生まれる前や行事がある度にお参りしていた神社。
二人で手を合わせて祈りました。

このまま離婚が成立する事だったり、残してきた子どもたちのこれからだったり。

モラ妻からの電話はまだありません。

モラハラに耐える自分の限界を突破

神社を出て、Aさんから予め聞いていた弁護士事務所へと車を走らせていました。

このまま弁護士の先生と会う事ができれば離婚まで一直線なのかな、そうなればいいな…そう願っていました。

この時はもう、妻からのモラハラに耐える事は完全にできなくなっていました。
もうあの家に戻りたくない、子どもたちの事は大切だけど、モラ妻がいるあの家にはもう戻れない。
妻の顔、声、名前、全てが嫌でした。思い出す事を完全に拒否していました。

子どもを残して自分だけ逃げる、自分勝手な父親だ…と自分で思いました。
でも、もう本当に無理なのです。
人はここまで人を拒んだり、嫌いになれるのか、と思いました。

妻からのモラハラに耐える自分の限界を突破していたことに気付きました。

そして、Aさんから連絡がありました。

Aさんからの電話

Aさんからの電話が鳴りました。

お願いします、弁護士の先生に今すぐに会えますように!
心の中で強く念じながら電話に出ました。

【Aさん】
幸ちゃん、大丈夫か!?先生と連絡とれたで!今すぐに来いって!

この時の喜びは忘れません。
もう、これだけでモラ妻から逃げ切ったかのような嬉しさでした。

【僕】
ありがとうございます!すぐに先生の事務所に向かいますね!ありがとうございました!
【Aさん】
これからやで!頑張りや!

そして、父と弁護士事務所へ向かいました。